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秀和株式会社(しゅうわ)は、かつて存在した日本の不動産会社、デベロッパーである。 東京都千代田区麹町に本社を置いてマンションやオフィスビルを建設、またバブル期には日本国外での不動産投資も活発に行なっていた。しかしながらその後は経営に行き詰まり、2005年(平成17年)にアメリカの投資銀行、モルガン・スタンレーに買収されて消滅した。 == 概要 == 1957年(昭和32年)に設立され、東京都心を中心に多くの賃貸ビルを建設した〔。また『秀和レジデンス』の商標でのマンション販売や、オフィスビル事業で業績を伸ばした〔。 さらに1980年代後半になると秀和は日本国外における投資にも本格的に進出、創業社長の息子・小林タカジが社長を務めるロサンゼルスの現地法人を拠点として、カリフォルニア州などに多数の不動産を取得した。 また、秀和は1987年(昭和62年)頃からスーパーマーケット・チェーンなどの流通業社株を買い集めはじめた。流通再編に意欲をみせる秀和の社長・小林茂は〔、「中堅スーパー大合同による1兆円企業設立プラン」を提唱、1989年(平成元年)には経営権を保持しようとするスーパーマーケット2社とのあいだで「忠実屋・いなげや事件」とも呼ばれる攻防が生じた。 しかしながら翌1990年(平成2年)4月になると不動産融資の総量規制と公定歩合の引き下げが実施されたことで不動産バブルが急激に崩壊、当時の借入額が1兆円超であった秀和の資金繰りも急速に悪化した。同年12月に公表された秀和が5%以上の株式を保持する企業群は流通業を中心に、忠実屋(発行済株式の33.9%を保持)、伊勢丹(同25.3%)、いなげや(同25.2%)、マルエツ(同24.9%)、長崎屋(17.6%)、松坂屋(15.7%)、イズミヤ(6.6%)、東京スタイル(11.0%)などに及んでおり、秀和はこのうち忠実屋株を担保として差し出すことでダイエーから700億円の融資を得て倒産を免れた。 流通再編に失敗した秀和は、不動産価格の下落に伴う負債に苦しみ、。 2005年(平成17年)3月、引き続き負債を抱えながらも東京都内に16棟のオフィスビルを所有していた秀和は、アメリカの投資銀行、モルガン・スタンレーによって約1400億円で買収された〔米モルガン・スタンレー、日本の不動産に2700億円投資-秀和など買収 ブルームバーグ(日本語) 2005年3月30日掲載、平成23年12月18日閲覧〕。その前月である同年2月末、秀和は私的整理ガイドラインに基づく再建計画を取りまとめており、中央三井信託銀行(中央三井トラスト)からは287億円の債権放棄が発表されていた〔〔三井トラスト、秀和向け債権287億円を放棄 『日本経済新聞』 平成17年3月1日〕。モルガン・スタンレーは、買収に先立って各金融機関から秀和向け債権を買い集めており、既に最大の債権者となっていた〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「秀和」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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